(第6話)怪獣のお葬式

 ウルトラマンと葬儀に関するエピソードを紹介しましょう。
昭和42年に「怪獣墓場」という作品が放映されました。宇宙パトロール中
のアラシ、イデ両隊員が、「ウルトラゾーン」と呼ぶ一帯で、過去に戦ってきた
ケムラー、アントラー、ネロンガなどの怪獣たちの亡霊を発見する。
イデ「やつらはここまでウルトラマンに放り出されて、そして永遠にウルトラ
ゾーンを漂っているんだ」
アラシ「まるで怪獣墓場だな、ここは」
そして、化学特捜隊基地本部で次のような会話がなされます。
フジ「話を聞いてみるとかわいそうね。姿形があたしたちと違い、力がありす
ぎるというだけで、宇宙へ追放されてしまったのだから」
ムラマツ「そういえば随分やっつけたなあ…、ウルトラマンの力を借りて」
アラシ「やつらはウルトラマンに力いっぱい放り出されて無重力地帯までスッ
飛んでいき、そこで永久に宇宙の孤児となっているんですよ」
イデ「キャップ、どうです? 怪獣供養ってのをやってみませんか?」
その場にいたたまれなくなったハヤタ(ウルトラマン)は外へ飛び出す。そ
して、宇宙に向かって謝罪する
「許してくれ。地球の平和のため、やむなくお前たちと戦ったのだ。俺を許し
てくれ」
そして、怪獣のお葬式になります。遺影で怪獣の写真がズラリと並びます。
僧侶がお経を読みます。一応、戒名もあります。「宇宙院妙法怪獣居士」です。
「妙法」とありますから、日蓮系の戒名でしょうかねえ。
中には地球侵略が目的でやってきた宇宙人もいますが、姿、形が違うという
だけで攻撃してしまっていいのかという疑問は残ります。
「正義とは何か」「侵略者とは何か」「戦争はなぜ起きるのか」について考えさ
せられる作品です。