(第11話)「三途の川」を渡ろう
さて、あの世の旅の名所といえば何といっても三途の川です。
「この世」と「あの世」との境にあるといわれている川のことです。
この川には次の三つの渡り方があります。
1.仏の教えを守った人はまったく、ぬれることなく橋を渡ることができる。
2.多少、破った人は少しは、ぬれることはあるが浅瀬を渡ることができる。
3.罪悪人は江深淵という難所をずぶぬれになりながら渡る。
ま、日頃から「仏さま」「ご先祖さまを大切にしていきましょう」ということですね。
ちなみに一説に三途の川の川幅は四十由旬(ゆじゅん)だといわれています。
由旬という単位がよくわかりませんが、一由旬十四、四キロメートル説をとる
ならば川幅は約五七六キロメートルになります。
四十キロメール説ですと、約千六百キロメートルあることになります。こ
れは川ではなく海ですよ。
そもそも、三途の川の原型は中国で生まれたといわれていますから、モデル
は黄河や揚子江ということになります。日本の「春の小川はさらさらいくよ」
の小川ではありません。
船旅だとしても大変なことになります。
戦艦大和だとどうなるでしょうか。最大速度は時速約50キロメートルです。
したがって、川幅576キロメートルの場合は約11時間30分、1600キロ
メートルの場合は32時間もかかります
芦ノ湖の遊覧船だともっと大変。時速15キロ前後ですので、576キロメ
ートルの場合31時間以上、1600キロメートルだと86時間以上 の船旅に
なります。
スワン型の人力のボートの場合は4、5日はかかりそうですね。
ちょっと、歩いたり、舟で簡単に渡れるような距離ではなさそうです。