(第10話おまけ)「葬式饅頭の歌」パート2

  ご好評にお答えして(?)「葬式饅頭の歌」パート2です。
ソーダ村の村長さんが
ソーダ飲んで死んだそうだ
葬式饅頭うまかったそうだ
この歌の裏側を探ってみましょう。
「ソーダ村」の「ソーダ」は地名ですね。「早田」「寒田」「宗田」「曽田」「相田」「双田」などが考えられます。
ただし、ここの箇所は「ソーダ会社のそうださんが」という別バージョンもあります。
ソーダを作っている会社という可能性もあります。
 では、「ソーダ飲んで死んだそうだ」のソーダは何でしょうか。
炭酸水素ナトリウムとクエン酸を混ぜると炭酸ガスが発生します。いわゆるソーダ水です。砂糖を混ぜるとサイダーになります。ただし、このソーダを飲んで死ぬとは考えにくいですね。
たぶん炭酸ナトリウムのことです。水酸化ナトリウムや炭酸水素ナトリウムなどを含めた総称です。 
水酸化ナトリウムは強いアルカリ性で、蛋白質を腐食させる作用を持ちますが、せいぜい口や消化管の粘膜が爛れる程度で、大事にはいたりません。したがって、かなりの量を飲まないと内臓が溶けて死ぬ、ということは無いように思われます。
 誤って飲んだのではなく、意図的に飲んだのでしょう。
 いわゆる苛性ソーダを大量に飲んだことになります。
「ソーダ」とは、オランダ語の「ナトリウム」のことで、英語なら「ソディウム」のことです。「苛性」とは、皮膚につけると焼けるようにただれるという意味です。
ちなみに葬式饅頭の中にもソーダが入っていると思われます。つまり、ペーキングパウダーです。重曹です。このソーダで葬式饅頭も作ったのでしょう。
「葬式饅頭大きかったそうだ」という歌詞もあります。
 現在も「ソーダ饅頭」という饅頭は市販されています。
 ただし、苛性ソーダは劇薬指定になっていますので、近所の薬局薬店では買えません。毒物劇物の取り扱いの資格が必要です。
というわけで、次のように解釈することもできそうです。
  ソーダ会社のそうださんが
  会社がつぶれてソーダ飲んで死んだそうだ。
  残ったソーダで大きな葬式饅頭つくって配ったそうだ
うーん、実は恐い歌なのかもしれません。