平成23年3月 師資相承で伝えられていった禅

禅宗を隆盛させた達磨の弟子たちの話に入ります。
禅では、師の悟りを弟子が受け継ぎ、また、その弟子へと伝えていく師資相承(ししそうしょう)によって、法脈を継いでいく。
二祖慧可の法を継ぎ三祖となったのは僧璨(そうさん)(生年不詳~六〇六)である。
しかし、この時代、仏教は北周の武帝から弾圧を受けることになる。寺院は、貴族の館や軍の施設にされ、仏像や経典は焼かれ、僧侶は無理やり、農民や兵士にさせられた。抵抗する僧は容赦なく殺された。
残された僧は逃亡生活しかなかった。追手が迫れば、更に山奥に逃げ込んだ。渇きと餓えをどうにかしのぐ生活をし、樹木や石の上で坐禅をしたという。こうして命がけで守られた法が中国各地へと広がっていったとすいそくされます。
三祖僧璨(そうさん) 四祖道信(五八〇~六五一)、道信から五祖弘忍(ぐにん)(六八八~七六一)へ。弾圧のなかでも、脈々と師資相承はなされていった。
そして、傑出した六祖慧能を禅宗は得ることになります。 次回に