禅の教えを示す四つの言葉 

禅宗以外の仏教宗派は、教えのよりどころである経典を重視しています。 禅宗と他の宗派との大きな違いは、教えのよりどころ(本質)を経典に求めるのではなく 経典を説いた釈尊の心=仏心に求めるべきだと教えている点である。 それと同時に、釈尊から幾多の弟子である僧によって伝たわりどのような、因縁により自分に接しているそれを、会得するのが重要だとしていことです。 中国禅の開祖とされる達磨大師は、釈尊がそうしたように、自らも坐禅することにより仏心が自分の内側に存在することを、突き止めた。 禅宗では、経典を学ぶ以前に、ひたすら自己を見つめろと教えている。
これら、禅の修行方法を支え教え示している言葉は、不立文字、教外別伝、直指人心、見性成仏、 のこれら4つの語句であるといえる。

以下に説明すると

1. 不立文字(ふりゅうもんじ)
文字にとらわれない、文字では伝えることのできないという意味です。 何が文字にならない、文字では伝えられないかというのは“釈尊の教えの真髄”である。 では、どのように、釈尊の教えの真髄がつたれるのか? 答えは達磨が書いたとされる 「血脈論」に「以心伝心、不立文字」とあるように、こころからこころへ伝わるということである。 伝える側も伝えられる側も「無」 般若心経で言う「空」のこころを持つことである。 そのものが、伝えらるべきものであり、それを有していなければ、多くの経典、知識も 役に立たないと示している言葉である。

2. 教外別伝(きょうげべつでん)
経典にとらわれないことをいう。お経とは、釈尊の言葉が、すぐれた弟子たちにいい伝えられ、注釈をこめまとめられた、書である。しかし、どんなに優れた経典によっても ぎりぎりの境地は、得ることはできない。釈尊が自ら悟り会得したように、自分自身の 心と体で、受け止めること。そこに、「伝わる」ということがなされるのである。

3. 直指人心(じきしにんしん)
ただちに、人の心を指示せということ。ここで、人とは、自分のことである。 あれやこれや、求めるのではなく、即今ただいまの自分自身をはっきり定めよ、と いうことである。自分の心であっても、好き嫌い、損得勘定、見栄や外聞を気にして自分本位の思い込みが入り乱れる。このようなフィルター、心を濁らせれ雑念などを一切取り除きありのままの自分をみつめることである。 禅では、”ありのままの姿“に気持ちを集中させるのである。

4. 見性成仏(けんしょうじょうぶつ)
自分自身に備わる仏性を自覚できれば、仏になれるという意味である。 自然と手を合わせる、仏像の自分である。その自分の仏性に、実は手を合わせているのである。

これら、四言四句を今風に訳せば、経典や言葉では、言いつくせない、伝えれるべき 真理がある。ただ、いまの自分自身に仏がいることを自覚することが、悟りにつながる。
”仏性をはっきりさせる。”言い尽くせぬ禅の教えの一つである。禅を会得できる指針である。